資格や肩書を活かす!「権威への服従原理」マーケティング活用方法

「権威への服従原理」は専門家や肩書、権威などのある人間の指示や発言を無条件に信じてしまう心理効果であり、「ミルグラム効果」と呼ばれる場合もあります。
権威ある人物の前では信憑性の有無に関わらず信じてしまう傾向があり、実際の心理実験においても実証されているのです。
権威への服従原理に関しては、ビジネスにおいても活用されている方法であり、言葉は知らなくても身近な存在となります。
マーケティングにおいて、資格や肩書を活用できる方法を中心にご紹介しましょう。

「権威への服従原理」とは?

権威に盲信してしまう原理

人間は権威や肩書に弱く、地位のある人間や専門家の指示に無意識に従ってしまう傾向があります。
人間がなぜ権威に対して従ってしまう心を持っているのかというと、権威者や専門家などの指示や要求に従うことで利益を得たという経験があるということが根本にあるからです。
例えば医師の指示に従って薬や治療を行ったとします。
医師の指示通りにしたことで、辛かった症状が改善されれば利益があったという経験に繋がり、今後医師の指示には従うという法則が生まれます。
また親や教師も権威者となる場合があり、何も知らない時期に親や教師の指示に従って成功を手に入れたり成績が伸びたりした場合も、結果的に権威への服従と同じ原理が働いているのです。
職場の上司や警察官、国を動かす政府なども、権威者という立場に該当します。

過去の実験例と事件

過去に権威への服従原理を証明した実験が行われています。
1963年にアメリカのスタンレー・ミルグラム博士によって、被験者を生徒役と教師役に分けて心理状態の変化が調査されました。
被験者には、学習に及ぼす罰の効果を調査することを被験者に伝え、クイズに不正解すると電気ショックを与えること、間違うたびに電気ショックのレベルが上がること、電気ショックによって誰かが亡くなっても被験者に罪はないという内容を事前に知らせておきます。
説明を聞いた後に被験者を生徒役と教師役に分け、生徒役は別室で電気イスに座り、教師役は生徒役に簡単なクイズを出しました。
実際に電気イスは偽物であり、生徒役には事前に仕掛け人がなっているため、被験者は全て教師役ということです。
また教師役の被験者の近くに白衣を着た博士役を配置し、毎回電気ショックのボタンを押すように指示します。
つまり、実験では白衣を着た博士役が権威であり、教師役がどれだけ無意識に服従してしまうのかを実験するのが本来の目的です。
実験開始後から教師役は生徒役に問題を出していきますが、間違えれば電気ショックを与えます。
白衣の博士の指示に従わずに電気ショックのボタンを押さなくなった時が実験終了のタイミングですが、博士役の指示に従って生徒役が無反応になるまでボタンを押し続けたのは約62%、最後の電圧となる450ボルトまでボタンを押した被験者もいたようです。
結果からも分かるように、白衣の博士という権威の下では服従してしまう心理が働いたことで、実験の名前からミルグラク効果と呼ばれていますが、他にもアイヒマン実験と呼ばれています。
ナチスに所属するアイヒマンはユダヤ人を強制収容所に連行する責任者ですが、結果としてユダヤ人を絶滅に招く行為を主導したと言われています。
しかし、アイヒマンは家庭では妻の誕生日に花を送るなど、最初から異常な性格を持っていた訳ではなく、ヒトラーの命令に従っていただけでした。
自主的に残虐行為を行うような人格でなくても、権威者からの指示に忠実に従ってしまえば、平然と残虐行為を行えるのも権威への服従原理が大きく働いたものだと証明されます。

権威と認識させる3つの象徴

権威と認識させる特徴として、主に3つのものが象徴となります。
3つの特徴とは肩書、装飾品、服装です。
本来肩書とは、取得までの多くの時間がかかりますが、口にして相手に思わせる方法もあります。
架空請求なども肩書を利用したなりすまし行為であり、正式な権威にはならない場合もありますが、それでも信じてしまう人には心理効果が働いていると予測できます。
装飾品に関しては、持っているというだけで権威がない場合でもあるように見せることができるのが特徴です。
金のアクセサリーや高級外車などを身に付けていることでお金持ちというイメージに繋がり、さらに職業にまで想像を膨らませることもあります。
装飾品に肩書などを加えれば、さらに心理効果が高まるでしょう。
最後に服装に関してですが、無意識に服装と権威を関連させたり、イメージさせたりすることもあります。
医者の白衣や警察官の制服は権威として最も効果的に働くため、認識させるのも比較的簡単ということです。

身近な「権威への服従原理」

医師と患者

私たちの身近な権威への服従原理として、医師と患者という立場が分かりやすいでしょう。
医師は専門的な知識を持った専門家であり、白衣という権威を認識させやすい服装でもあります。
病院に行った際に、医師から処方された薬や診察内容を疑うことはなく、言われた通りに従うことが普通だと思っているでしょう。
医師の指示に従うという時点で権威に服従しているつもりはなくても、医師は正しい判断をしている、正しい診察を行っていると無意識に思い込んでいるため、権威への服従原理が働いているのです。

○○賞の受賞

優れた製品に与えられる「○○賞」や、有名やレストランなどに与えられる星の数などにも、無意識に権威への服従原理が働いている可能性があります。
賞や星を獲得する=きちんとしていると勝手に信頼してしまうため、素晴らしいものだと無意識に選んでしまいます。
賞の内容で選んだという時点で、心理的な効果が発揮されたということです。

マーケティングに活用しよう

医師や専門家に監修してもらう

権威への服従原理をマーケティングにおいて活用する場合、医師や専門家などの監修を記載すると、一気に信憑性が高まり安心感が得られます。
あるダイエット食品に「ダイエットに詳しい△さん監修」と「ダイエット専門家で医師免許を持つ△先生監修」という表示を付けた場合、どちらが選ばれるでしょうか?
購買意欲を高める表示は後者の方だと思いますが、無意識にダイエット専門家や医師という部分に権威への服従原理が働いていることも分かります。
そのため医師や専門家という肩書では、大きな心理効果も期待できるでしょう。

資格や肩書、実績を主張する

資格や肩書、実績において主張するのも、マーケティングで有効活用できます。
資格や肩書が広く認知され、高度で専門性が高ければ大幅な効果が期待できるでしょう。
さらに資格や肩書での実績や経験に関しても主張すれば、信頼にも繋がっていき、良い反応が返ってきます。

ステマにならないように注意する

マーケティングに関して、医師や専門家の監修や資格や肩書などが有効とされていますが、アピール方法を間違えてしまうとステマになるので注意が必要です。
以前もありましたが、特定のジャンルで固定ファンの多い芸能人が自身のブログでさりげなく商品を紹介し、見たファンが購入してしまうという流れでは、無意識に権威への服従原理が働いています。
執拗に何度も商品を紹介するのはステマと勘違いされる恐れがあるので、気を付けましょう。

まとめ

権威への服従原理という言葉や心理効果について知らなくても、身近な存在であり自分自身も体験している可能性があります。
ビジネスにおいても活用されているため、正しい活用方法を知っているかも重要です。
内容を理解してステマにならないように気を付けましょう。