ビジネスにも使える「吊り橋効果」、活用する際のポイントは?

「吊り橋効果」はビジネスにも活用することができます。
恋愛に用いられる心理現象なので、ビジネスでどう利用するのか分からない方もいるでしょう。
そこで、この記事では、

・吊り橋効果とはどういった心理現象なのか?
・ビジネスで活用するポイントとは?
・活用の際に注意するポイントはあるのか?

といった疑問に迫っていきましょう。

吊り橋効果について

恐怖のドキドキが恋愛に変わる吊り橋効果

恐怖や緊張、不安や興奮している状態を一緒に共有することで、恋愛感情を抱きやすくする心理効果を吊り橋効果と言います。
恐怖や緊張による胸の高鳴りを恋だと認識してしまうことで互いに意識し、恋愛関係に発展しやすくなるのです。
吊り橋効果は、カナダの心理学者であるダットンとアロンによる「生理・認知説の吊り橋実験」により1947年に実証されました。
18歳から35歳までの独身男性を揺れる吊り橋と揺れない吊り橋に渡らせて、橋の真ん中で女性にアンケートの協力として話しかけられ、結果に興味があれば連絡が欲しいと連絡先を渡した結果、揺れない吊り橋を渡った男性からの連絡が1割程度だった反面、揺れる吊り橋を渡った男性からの連絡はほぼ全員だったのです。
上記の実験結果から見てもわかるように、不安定な場所でドキドキした感情を恋愛感情だと勘違いしたと推論付けられます。

ドーパミンによる勘違いが原因

吊り橋効果はドーパミンによる勘違いが原因です。
不安定な吊り橋の上に立つと、人間は緊張をして心拍数が上昇します。
心拍数が上がるとドーパミンが分泌されるのですが、ドーパミンは快楽物質なので恐怖のドキドキではなく、恋愛や楽しさなどによるドキドキであるとポジティブな考えをしてしまうのです。

吊り橋効果は吊り橋以外の場面でも表れる

吊り橋効果と言う名前なので、吊り橋の上でしか得られない効果だと勘違いしている人もいますが、吊り橋効果は吊り橋以外の場所でも表れる心理効果です。
恐怖だけではなく緊張や不安、興奮などでも人間の心拍数は上がるため、同じようなドキドキを味わうことで吊り橋効果を実感できるでしょう。
例えば、一緒に怖い映画やドキドキするアクション映画を観るだけでも吊り橋効果は得られます。
次の展開に思わずドキドキしてしまう時や波乱のある展開にドキドキしていることに対し、一緒にいるからドキドキしているのだと勘違いしてしまうのです。
また、学生時代であれば同じ部活仲間と恋愛関係になることが多いと感じたことはありませんか?
本当は運動によって心拍数が上昇しているだけなのですが、いつの間にか一緒にいる異性を意識しているドキドキと勘違いしてしまい、恋愛関係に発展する男女が多くなるのです。

吊り橋効果をビジネスで活用する際のポイント

あえて危機を作り、乗り越えることで関係を強化させる

一緒に危機を乗り越えることで互いの距離を縮めることができます。
ビジネスでは上司を説得する必要性も出てくるでしょう。
上司がなかなか首を縦に振らない場合には、上司を説得するために何をするべきなのかをチームが一丸となって考えます。
一緒に考えて作り上げていくことで、上司の了解が得られるのかという緊張や不安を感じるのです。
そして、一緒に乗り越えることで関係を強化させることができ、チームの距離も深まるでしょう。

仲間意識を芽生えさせ、マーケティング成果を高める

マーケティングにおいては、仲間意識を芽生えさせることが重要です。
吊り橋効果と言っても一緒にドキドキする体験をしなくても、心理効果を与えることができます。
仲間意識を感じさせるだけで一緒に体験したと錯覚させることができるからです。
例えば、売り出したい商品が出来上がるまでの経緯を描きます。
商品が開発されるまでの苦労話を聞くことで、消費者は親近感を感じて話に引き込まれ、吊り橋効果によって連帯感が生まれるのです。
その結果、商品購入につなげることができるでしょう。

共感できるキャッチコピー作りに役立つ

吊り橋効果による連帯感により、共感できるキャッチコピーを生み出すことも可能です。
いかに顧客の気持ちを引き寄せられるかが鍵となります。
例えば、野菜や果物などの農産物であれば、「今年の猛暑に耐えながらも頑張って育った立派な○○」や「ここまでの甘さを引き出すために試行錯誤…ようやく納得のいく○○が届けられます」などとなります。
苦労話を交えることで共感や親近感を抱かせることができ、同じような苦労をしたと共感してもらうことで商品に対して親近感を抱かせられるのです。
ただ単に「トマト」と表示して販売するよりも、顧客の心をグッと引き寄せることができるでしょう。

「社長の言葉」に吊り橋効果を織り交ぜる

吊り橋効果を社長の言葉に織り交ぜることで顧客に安心感を与えることができます。
顧客と企業の距離を縮めるためにも有効な手段となるでしょう。
企業では、公式ホームページに「社長の言葉」を掲載している場合も多いです。
プロフィールを掲載することで、どういった人生を歩んできたのか多くの人に知ってもらうことができ、読んだ側が社長に対して親近感を抱きやすくなります。
安心して商品を購入することや安心して取引をするためには、どういった会社なのかだけではなく、社長がどんな人物であるのか把握することは大切です。
わざわざ電話をして問い合わせをするような人は少ないと思いますが、そこまでしても安心して取引をしたいと考える人も中にはいるのではないでしょうか?
しかし、ホームページ上にある社長の言葉に今まで起こった問題点や苦労話などを載せることで、アクションを起こすことなく社長の人柄を推測することができます。
社長がどういった人物であるのかを把握することで、社員がどう育ち、どんな商品が生み出されるのか顧客側は想像できるのです。
信頼や安心感を生み出すには有効な手段と言えるでしょう。

吊り橋効果で注意したいポイント

逆効果になってしまうことがある

吊り橋効果はビジネスにも有効な手段と言えますが、逆効果となる可能性もあるので注意しましょう。
心拍数が上がることで距離を縮めることができますが、冷静に考えたことで緊張していただけだと気付いてしまうと、マーケティング効果も薄れてしまいます。
例えば、常に冷静な判断をする顧客もいるでしょう。
苦労した話を活用して吊り橋効果を得ようとしても、冷静な判断をする人物であれば親近感を抱かせることは難しいです。
恋愛においても、スリルを一緒に味わうことで恋愛感情が生まれやすいと言いますが、スポーツを一緒に楽しむことやジェットコースターを一緒に体験した後に相手のことを見て魅力が薄れてしまったと感じる人もいるため、逆効果となる可能性は研究結果によっても証明されています。
時には吊り橋効果は逆効果になるということを理解した上でマーケティングでも活用していきましょう。

まとめ

吊り橋効果は恋愛でしか活用できない心理効果だと感じている人もいますが、ビジネスでも吊り橋効果は活用できます。
相手との関係を強化したい時やマーケティング効果を高めたい時など、吊り橋効果を活用することで成功できる可能性も高まります。
しかし、時には逆効果となる可能性もあるため、効果をしっかりと理解した上で使うことが望ましいでしょう。